右側への転倒



 ステンと転んだ。身動き取れるようなら、まずは路肩や道路外へ避難。後続車にひかれない様に。その後、体の無事と自転車の無事を確かめる。問題があれば対処する。のですが。

 スポーツ自転車の弱点とも言うべき右側への転倒。どうせ転ぶなら左へ転べ!?・・・というわけでもないのですが。もちろん、右にも左にも転ばない方が良いです。

 自転車の中でもマウンテンバイクなど、外装変速と呼ばれるシステムを採用したものは、繊細な変速機(別名:ディレイラー)が右側に出っ張っています。繊細の所以は、転倒などでぶつけて少しでも歪みやズレが生じると、途端に駆動系の調子が悪くなる。思い通りに変速できなくなるばかりか、チェーンとスプロケットの噛み合わせが悪くなっているので、変速レバーを操作しなくともスタート時や上り坂などでペダルに力強くトルクをかけると、“歯跳び”が起こり、まともな走行すら出来なくなります。その後、だましだまし使用できたとしても、チェーンが外れやすくなったり、最悪の場合ディレイラーが後輪に巻き込まれて、ホイールとともに破損して、完全な走行不能に陥ることもあります。
 転倒といっても、派手な大転倒だけでなく、時速3キロでのコテンと立ちゴケや、保管中に駐輪場などで倒れただけでも、ディレイラーは微妙にずれることがあります。正確に言うと、フレームのディレイラー取り付け部が歪むことが多い。再調整するか、修正を加えるか、または新しい部品に交換するか、すぐに対策をとれば良いのですが。無理に使用を続けると、前記の通り大きなトラブルとなります。
 
 お買い物用自転車などに採用されている内装変速なら、繊細な部分の出っ張りが少ないので、そういったトラブルは皆無に等しい。SHIMANOが提唱する内装8段変速『インター8』の最大のメリットがここにあります。ペダルを回さなくとも変速操作できるので、停車中にシフトダウンが可能であったり、何かと便利でもあります。昔、岩岳の頃、ダウンヒル競技でテスト使用されたこともありました。ただ、スポーツ用途としては重量が重過ぎるのがネックとなり、またコストが合わないのか完成車メーカーの積極的な採用も少なく、大きな普及には至っていません。当店でも過去に販売した実績はすべてオーダーメイドでした(当時は7段でしたが)。お買い物用自転車以上、マウンテンバイク未満な使い方には、とてもお薦めのシステムです。2004シーズンは、お薦め完成車もあります。

 もう一つの解決策、『 SAINT 』です。せいんとせいやとは関係ありません。これまたSHIMANOの2004年ニュー・コンセプト。というか、2年早ければ爆発的ヒット商品だったであろうに。やっと出ました、下り系モデル。とにかく無茶な走りで自転車を壊してきた方には朗報です。強度の点で、通常の使用はもちろん、多少の転倒や衝突で直接部品を殴打しても、簡単には曲がったり折れたりしないヘビーな設計。特に、このコラムで取り上げているリア・ディレイラーに関しては、従来とは取り付け方法で互換性を無くすると言う犠牲を払いつつも、次元の違う強度を実現。これはしばらく画期的な変更が無かった外装変速システムにおける革命的なことです。これで安心して転べます!?。もちろん、ヘルメット、プロテクターなどで体を守ることもお忘れなく。
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