検証・ロードレーサーとマウンテンバイクはどっちが有利か!?その1

「ヒルクライムの場合」編


 上り坂で楽な自転車が欲しい!!のは、誰もが希望するところ。レースやイベントで好成績を望むならなおの事。ジャンルを問わず考えるなら、まず難問なのがロードレーサー(以下Road)にするかマウンテンバイク(以下MTB)にするか。

 まずは一般論で話を進めます。
 重量の軽さではRoadの勝ち。ただ、重量は予算次第な事もあり、MTBでも相当軽く出来ます。10万のRoadより20万のMTBの方が軽く出来るはず。
 実際の走行感の軽さはタイヤやホイールに大きく影響されます。もちろん軽量に越したことはありませんが、軽さにこだわるがあまりキャシャすぎるホイールを選択すると、体重やパワーがある方にはマイナス面もあります。タイヤは細ければ細いほど、接地面積が狭ければ狭いほど、抵抗感が小さくなり、軽快に上り坂をこなせます。MTBにも細いタイヤが豊富になってきましたが、Roadの細さにはかないません。ただ、ダート路面を含むコースの場合は、どこまで細くするか、バランスが問われます。細くしすぎると、滑りやすいガレ場などでグリップを失い、かえって失速します。オフロード用タイヤでも舗装路で比較的抵抗の少ないタイヤもさまざまあります。
 そしてギア比(前後の歯車の組み合わせ)は微妙な問題。もともとホイールの規格が異なり、外径が小さなMTBは同じギヤ比でも軽い踏み応えのはず。さらに一般にRoadの既製品に採用されるギヤ比は、ヨーロッパのトッププロ選手と変わらなかったりします。初心者やパワー不足の者でも、平地を走るには事足りますが、上り坂だと軽いギヤが足りなくて、失速して押して歩く羽目になりかねません。その点もともと山を上り下りする想定のMTBには、平地では必要の無い軽すぎるギヤも、上り坂では「付いてて良かった。」と再認識します。一番軽いギヤ比だと、確かに徒歩と変わらないほどの速度まで落ちますが、押して歩くよりは早くて楽なはずです。Roadにも対策として、フロントギヤのトリプル化やコンパクトドライブの採用で、MTBに迫る軽めのギア比を得ることも出来ます。カスタムするならMTBのギア比そのまま使うことも出来ます。ただ、好タイムを狙うなら、より重いギヤ比でも回しきれるよう、パワーとスタミナを鍛えなおすことも必要です。

 では、ここからは私個人的な話ですので、参考程度に。
 理屈や計算上の話より、感覚を信じる私としては、実際に走行テストで検証します。現在、どちらもヒルクライム向けにセッティングしてあるRoadとMTBでテストします。走りなれた「神坂峠」を日を改めて登りました。幸いどちらも似たようなコンディションの日にチャレンジできました。気候も体調も、です。
 Roadは、軽量ホイールにチューブラータイヤと万全の登り仕様。ギヤ比に関しては、昨シーズンの途中から大きく変えたため、どこへ行っても押して歩くことは無くなった事はもちろん、蛇行することも少なくなりました。ちなみに一番軽いギヤ比、インナー×ローは、32T×23Tです。以前までの39T×25Tでは終盤の激坂で押しが入って、かなり時間をロスしていた「神坂峠」です。押して歩かなくてもいける、と言う自信から、序盤の緩斜面から飛ばしていけたわけですが、飛ばしすぎもあったのかなかったのか、終盤の激坂では少々ペースダウン。ケイデンス(ペダルの回転数)が上げられない状態です。ローギヤにもう一枚余裕があれば、とも思いつつ、トータルではまずまずの自己新記録でした。
 日を改めてのMTBですが、タイヤは26×1.9で反則技といわれる超軽量セミスリックタイヤ。ギヤ比もオンロード・ヒルクライム用にこだわり有り。インナー×ローで、22T×27Tです。通常のローギア34Tとか32Tとかで考えると、27Tはセカンドギヤとかサードギヤとかに相当します。通常のローギヤやセカンドギヤを無くしてでもクロスレシオにこだわった選択です。舗装路走行の想定だから、軽すぎるギヤは不要との選択です。「神坂峠」の前半は、比較的緩斜面が多いのですが、こんな場面ではやはりRoadのほうがスピードのノリが良い気がします。実際、中間ポイントの水場までのタイムは、Road/36分、MTB/44分。8分も多く、122%もかかっています。で、問題の終盤の激坂は、22T×27Tでは少し軽すぎ。後ギヤは、セカンド(24T)、サード(21T)辺りで対応可。感覚的にMTBの22T×21TがRoadの32T×23Tに相当しそうです。もちろん今回使用した2台の条件での比較ですが。つまり、MTBなら余裕を持ったギヤ比で、ケイデンスを落とすことなくマイペースを保つことが出来た、と言うことです。しかし、激坂で“速度が落ちている”のはRoadもMTBも同じ。原因が異なるだけのこと。トータルタイムは、Road/68分、MTB/75分。7分の差は、結局前半の緩斜面での差でしかない。
 結論として、現在の私のスキルにおける今シーズンの傾向と対策。「“表”乗鞍」は、「神坂峠」ほどの激坂は無いが距離が長い。間違いなくRoadが有利。保険としてローギヤに25Tぐらいあっても良いかも。「御岳トライアスロン」は「神坂峠」よりきつい坂あり。後の種目のランニングの為にもスタミナ温存の必要があります。レギュレーションが無いのでMTBに26×1.0超軽量タイヤの組み合わせもそそられますが、制限時間のこともあるので、やはりRoadでローギヤ25T必須、保険に27Tも、てな感じです。

 さて、一般向けの結論です。ヒルクライムには、やはりRoadに軽いギヤ比が王道です。ただ、どの程度の軽いギヤが必要かは、挑戦するコースやあなたの脚力のパワーとスタミナによって異なります。初心者の方はその加減が未知数です。既製品で考えるなら、トリプルギヤ(前のギヤが3枚)のRoadが無難なところ。スキルが上がってさらに上を目指すなら、ダブルギヤ(前のギヤ2枚)仕様に変更しましょう。楽しんで完走さえできれば良い、時間がかかっても確実に完走したい、と言うのなら、MTBを基本にタイヤ交換などでヒルクライム仕様とするのもかえって良い考えです。もちろんカテゴリー分けもあったりしますので、MTBクラスで入賞を狙うテもあります。詳しくはお気軽にご相談下さい。あなたのチャレンジを自転車屋『 BikinG 』がお手伝いします。

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